論客商売 経営者の迷いを断つ。無害流論客 塩谷隆一

M&Aの実践

2015.04.21

はじめに二つの点をはっきりしておきます。

1.M&Aは、決め手にはならない。

2.M&Aの準備は、無駄にはならない。

今回の記事は、セミナー〝中小企業における事業譲渡の実際〟では事例報告に偏り、実際に検討すべき用件が未整理だったため、その点を編集したセミナー用の概要です。

ご希望があれば、セミナーで具体的な解説を行います。

 

1.M&Aは、決め手にはならない。
はじめに〝M&Aで売却する事にします。〟は、待ってください。

1-1 条件が必要

必要な条件の揃った会社は希。
条件整備の可否を判断する必要があります。

買い手にとって、魅力のある会社である事。
・顧客がいる。
・利益が出ているか、出る見込みがある。
・組織の権限委譲が進んでいる。
・資本が健全である。
・事業用不動産/生産設備は評価されにくい。

事業継承が可能である事。
オーナーが基幹業務を実施していると難しい。
・全株式を譲渡できる事が必要条件。
・全株譲渡条項付き特殊株を導入するには、議決権の三分の二が必要。
・基本的に、従業員が残留する同意も必要。
・情報開示が完全に出来る。

1-2 買い手が必要

条件が整っても、買い手が見つからない事がある。
・業態によっては、合併のメリットが出にくい。

買い手の代表者が希望しても、内部調整が付かない事がある。
・〝M&Aには賛成だが、この相手にこの価格では反対。〟

1-3 時間が必要

経営者に、時間的余裕が無いと難しい。
・二度の株主総会に、各三ヶ月の告知期間とすれば、最低半年は必要。
・前述の準備と、買い手の募集に、かなりの時間が掛かる。

 

2.M&Aの準備は、無駄にはならない。
仮に譲渡成約にいたらなくても、数々の効果が期待できる。

2-1 魅力ある会社になる

経営目標を明示する事で、顧客への焦点が定まり、顧客満足に繋がる。

権限委譲により従業員のモラルが向上する。

株主への情報開示で、経営戦略への協力が得やすくなる。

2-2 事業承継の準備

経営者の職務権限が明確になれば、後継者候補にも理解が得やすい。

株主への情報開示で、事業承継への同意が得やすくなる。

資本を集約する機会になる。
・株主に、単位株の価格を明示する。

2-3 廃業の準備

M&Aの過程で、関係者全員へ根回しできる。

関係者全員に、説得力のある経営情報を開示できる。

2-4 融資の獲得

金融機関から融資を引き出す材料になる。

MBOスポンサーを募集する際、有効な資料になる。

 

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